土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。
土地の評価方法には、路線価方式と倍率方式があります。
個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
(注)
宅地の評価方法は、路線価方式又は倍率方式により行いますが、通達の追加や改正があり変わります。
宅地の評価においては、その宅地の評価減要素を検討し、いかに評価を下げるかが重要になります。
土地の形状により、土地の評価額が減額される場合があります。
例えば、路線に接する部分が狭い場合、間口に比べ奥行きが長い場合、不整形地の場合等に、財産評価基本通達では、一定の補正を行い、評価減することを認めています。
宅地が面している道路等により、宅地の評価額が減額される場合があります。
私道の用に供されている宅地、不特定多数の者の通行の用に供されている私道、一部だけが道路に面している宅地、道路に面していない宅地、がけ地を有する宅地、宅地が容積率の異なる2以上に地域にわたる場合、造成中の宅地、土地区画整理事業施行中の宅地の評価、固定資産税評価額が付されていない土地等の場合、評価減の適用を受けられる可能性があります。
宅地で、次のようにその利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます。
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます。
(注)
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地は、路線価地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地のうち、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に所在するものとなります。また、倍率地域に所在するものについては、地積規模の大きな宅地に該当する宅地であれば対象となります。
1. 路線価地域に所在する場合
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地の価額は、路線価に、奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
2. 倍率地域に所在する場合
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地の価額は、次に掲げる1の価額と2の価額のいずれか低い価額により評価します。
(1)その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算した価額
(2)その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額に、普通住宅地区の奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額
(注)市街地農地等(市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野をいいます。)については、その市街地農地等が宅地であるとした場合に「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地に該当するときは、「その農地等が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額」について「地積規模の大きな宅地の評価」を適用して評価します。
規模格差補正率は、次の算式により計算します(小数点以下第2位未満は切り捨てます。)。
上記算式中の「 B 」及び「 C 」は、地積規模の大きな宅地の所在する地域に応じて、それぞれ次に掲げる表のとおりです。
地積 | 普通商業・併用住宅 地区、普通住宅地区 |
|
---|---|---|
B | C | |
1,000㎡以上 3,000㎡未満 |
0.90 | 100 |
3,000㎡以上 5,000㎡未満 |
0.85 | 250 |
5,000㎡以上 | 0.80 | 500 |
出典:国税庁ホームページ 地積規模の大きな宅地の評価